とうとう出たね・・
もう、とうとう出たねは今年の流行語大賞でいいんじゃないかな・・
まさにCB650Rこそ、とうとう出たねに相応しいバイクで
半年前くらいに発売されていたハズなのに
大人の事情で配車が伸びに伸びて今に至りました。
それと同時に、とうとう出たね・・エンストしない夢のMT車が・・
このCB650Rこそホンダが開発したEクラッチを搭載した第一弾モデルですよ。
所で、なんでCB650Rシリーズが初のEクラッチ搭載モデルなのかと考えてみると
キングオブ王道バイクのCB400が絶版車になった今・・
ホンダのスタンダードなモデルというか
もっとも排気量が小さい4気筒モデルはCB650Rになるからかな?
なんて思ったりするんですけど、どうなんでしょうか・・
2024年・・やっとエンストしないMTが実用化された訳ですけど
このEクラッチはクルマで言うと2ペダルMTのような感じですね。
ただ、Eクラッチの場合は走っている最中にでも
いつでもクラッチレバーを使う普通のMTにも切り替えが出来るので
そこは趣味性の高いバイクならではの機能だと思いますね。
実際にEクラッチを機能させて走ってみましたが
やっぱり初めてクラッチレバーを使わずに
ニュートラルから1速に入れる時は少し身構えますね・・
普通のMTでそれをやると一瞬だけドンと前に車体が進んだと同時に
そのままエンストする訳ですから・・
同社のDCTの場合はニュートラルからDに入れるので
DだとATっぽいので安心して入れられるのですが
チェンジペダルを踏んで1速に入れるのはさすがにちょっと怖かったですね。
実際に1速に入れてみると
排気量の割には1速に入れた時の車体が震えるショックは少なめというか
250ccクラス程度のショックがありましたが
1速に入った状態からの加速はまさにDCTそのものというか
出だしは半クラッチ状態で2000回転あたりで完全にクラッチを繋いでくれますね。
自分がいつもクラッチを完全に繋げるタイミングよりも
かなり遅めなので心の中で「こりゃ早くクラッチ盤が減るわ・・」と思ってしまうのですが
出だしのクラッチワークが苦手な方だと
逆にクラッチが長持ちする場合もあるかもしれませんね。
ちなみに0-100Km/h加速をする勢いでアクセルを捻ると
まるでレースをする時のスタート加速のように
クラッチを完全にミートさせる回転数がかなり上がったので
アクセルを捻るだけなのにウルトラスムーズに鋭い加速が出来ます。
もちろん更にクラッチが減りますけど・・
なので車体をいたわりたい方は
クイックシフターのように発進時だけクラッチレバーを使って
発進させた方がクラッチ盤には優しいと思いますが
結局の所・・人間は低き所に流れるというか
いつのまにかEクラッチに任せっきりになる訳ですが・・・・
Eクラッチのシフトペダルの所を見ると
完全にクイックシフターそのものですね。
クイックシフターはエンジンの点火を一瞬止めて
クラッチが繋がったままダイレクトに変速する感じですが
Eクラッチだと変速時にはエンジンとは一切連動せず
半クラッチを一端使って繋げるので
より人間っぽいというか優しいシフトチェンジになりますね。
なのでクイックシフターを搭載したほとんどの車両の場合
ギア比が離れている1速~2速間での変速時には
どうしても変速ショックが大きくなる訳ですが
Eクラッチだと半クラッチを上手く使っているようで
変速ショックがかなり小さく
平気で1速~2速間を行ったり来たり出来てしまいますね。
ここがクイックシフターと比べた時の
もっとも大きなメリットなんじゃないでしょうか。
つまり、1速~2速に関してはクイックシフターと比べると
変速スピードは僅かに落ちるものの
3速以降ではクイックシフターと遜色ないレベルで変速しました。
先ほどエンジンとは連動していないと書きましたが
連動出来るはずがないのですよ・・
だってアクセルグリップはエンジンのスロットルと
昔ながらのワイヤーで繋がっているだけなんですから・・
なのでクイックシフターとは違って
アクセルの状況に関わらず、いつでもシフトアップ・ダウンが出来るのも良いですね。
高価な電子制御になるフライバイワイヤを使わなくても
Eクラッチが機能するという所には大きな希望が持てるというか
その気になれば安価な125ccのバイクにでも搭載出来るという強みがありますね。
運転している感覚というか楽な感じはDCTに近い物を感じるのですが
DCTはある程度大きな車両にしか積まない(詰めない)という印象ですからね・・
いつでもクラッチレバーを握るだけで
普通のMTに一定時間だけ戻るのですが
停車時の時はついついクラッチレバーを握ってしまって
不意なエンストを防止する為なのか
Eクラッチが機能している状態だと
クラッチワイヤーの遊びがユルユルになっているので
ここは日本人が開発したならではの優しさを感じられる所ですね。
ちなみに普通のMTの状態だと当然、エンストしますよ・・
色々実験していたので3回くらいエンストさせましたが
それは分かっていてやっているので問題はないのですが
Eクラッチが機能していると思い込んだ状態で
不意にエンストさせるとヘタすると立ちゴケですからね・・
なので、この見慣れないEクラッチが機能しているランプを確認しないと
エンストして立ちゴケ・・という状況もありえるので
もっとも正しいEクラッチの使い方としては
一切、クラッチレバーには触れずに
Eクラッチに身を全て委ねる事だと思いました。
スロットルにワイヤーが繋がっていてガッカリする人も
もしかするといるかもしれませんが
Eクラッチの設定画面では
Eクラッチの機能を完全にオフにする事も出来ますし
まるでスーパースポーツのクイックシフターみたいに
3段階でペダルの硬さを変えられました。
もっとも柔らかい設定にすると足に力を入れなくても変速が出来るので
1速→2速に入れる時にニュートラルに入りやすくなるデメリットがあるのは
クイックシフターでもEクラッチでも同じですが
Eクラッチだとブーーーーン!!と、エンジンが唸っている状態でも
そのまますかさずペダルを押し上げるだけでスムーズに2速に繋がってくれます。
そのいつでも変速出来るというのは停車時でも同じで
6速まで普通に変速出来ますし
そのまま6速の状態で発進させる事も可能でした。
なのでEクラッチさえ機能していれば
絶対にエンストはしないようですね。
CB650Rシリーズのもっとも印象的な部分は
やっぱりこの美しいエキゾーストパイプなんですが・・
遙か昔のCB650Fの時はこんな感じでした。
今のCB650Rのエキパイとは形状もかなり違っていますね。
ちなみにこれは先代モデルのCBR650Rで
ほとんど現行モデルと同じように見えますが
CB650Fの時からあった差し込み口のようなつなぎ目が
現行モデルでは無くなっていますね。
これは先代のCBR650Rですが
先代モデルとの大きな見た目の変更点は
やっぱりテールランプの所ですね。
現行モデルでは横から縦のデザインに変更されているので
見た目がシャープでスッキリしましたね。
ナンバーステーも横向きから縦向きに固定されているので
薄い金属でも強度を出せる設計になっていますね。
今回、唯一気になった所としては
メンテナンス画面では電圧や水温を表示出来るのですが
メインの画面には表示出来ないんですよね・・
もちろん異常な温度まで上がった時の
ワーニングの表示機能はあるみたいなんですが・・
スマホと車体のモニターが連動する機能が搭載されている事もあり
余計な情報を排除して運転に集中して欲しいのかもしれませんが・・
という事で・・今回はCB650Rというよりも
Eクラッチについて色々試してみましたが
Eクラッチは実質
クラッチレバーを一切操作しなくても良い機構なんですが
クラッチレバーが車体に付いているという事で
AT限定免許では乗れないみたいですね・・
そこがDCTとはもっとも違う所ですね。
Eクラッチにもクラッチレバーのスイッチがあるので
押した状態になるように何かで固定して
あとはクラッチレバーを撤去すればAT免許でも乗れるんじゃないの?
とか思ったりするんですけど・・どうなんでしょうかね・・
とにかく、事前に説明書を読んでおかないと
操作がよく分からない新たなMTが登場した事には
久々にワクワクするというか
新鮮な感覚でバイクに乗れたのは良かったですね。